子どもがコルセットの装着を痛がり、嫌がりはじめたときに考えること
側弯症の装具治療で使うコルセットって、結構ゴツいですよね。
上半身がほとんど覆われ、息をするのも苦しいし、骨が押されたり、皮膚が擦れて痛いんです。そんなワケのわからない状態を毎日23時間もキープしろとか、拷問としか思ええません。
今は春ですが、夏が近づくにつれ、コルセットを装着している人はどんどん辛い時期になります。コルセットのせいで皮膚が擦れるのを防ぐために薄手の下着を一枚着て、洋服から透けて見えないようにコルセットの上に一枚シャツを着て、その上から洋服を着ていました。
夏なのに3枚も服を着るんですよね・・・。
真夏なら、熱中症になってもおかしくありません。
見た目がいやなのもそうですが、これで子供が嫌がらないワケがないです。
進行するとかしないとか、正直どうでもいいです(汗)
でも、親としては困りますよね。
装着しないと進行するかもしれない・・・。
進行したら大きな手術を受けさせないといけない・・・。
そうやって焦る気持ちから、子どもと衝突されている方もいらっしゃるかと思います。
実際、私も母と毎日のようにぶつかっていました。
でも、子どもがコルセットの装着を嫌がりはじめたら、一つだけ確認していただきたいな、と思うことがあります。
それは、身体の発達や肌の状態です。
見た目の問題や学校や友人間のトラブルで嫌がっているケースももちろんありますが、身体への負担が大きくなればなるほど、コルセットの装着は苦痛なものになっていきます。
女の子なら、大きくなりはじめる胸をギューと金具が押さえつけるわけです。胸だけではなく、身体全体が成長している最中ですから、あちこちで痛みが生じます。
服や下着のサイズ、靴のサイズが変わるということは、身体が大きくなっている証拠ですよね。身体は大きくなっているのにコルセットはそのまま・・・・。なんてことはありませんか?
コルセットは多少サイズが変えられるように作られていると思いますが、きちんと身体にあっているかどうか、病院で確認してもらった方がいいと思います。
それから、肌の状態も確認してあげてください。
掻きむしったような跡がないかとか、あせもができていないかなど、いくら親子とはいえ、年頃の女の子に「見せて」と言っても難しいかもしれませんが、肌のトラブルがある時は、ものすごく不快です。
あせもや湿疹、掻きむしった跡は特にかゆいですから、なるべく早く皮膚科でお薬をもらってあげてください。
なんども皮膚が擦れて荒れてしまうような場所は、そこだけ赤ちゃん用のガーゼを巻いたり、挟んであげると、多少ですがマシになります。
側弯症である本人は、小さな子どもでもない限りコルセットを<つけないといけない>ことはわかっているんです。つける意味はわかっていなくても、つけなきゃいけないことはわかってます。
からかわれるのは、いやだけど、我慢すればまだ乗り越えられます。
でも、痛みってなかなか我慢できないんです。
ひどい頭痛や腰痛に襲われたとき、すぐに鎮痛剤を飲みませんか?
それって痛みが我慢できないから飲むんですよね?
コルセットを装着することで起こる痛みは、鎮痛剤で紛らわせることができません。先の見えない、継続する痛みを堪える大変さは、親でもなかなか理解できないことだと思います。
「どうしてつけないの?」
と思う前に、つけやすい環境を整えてあげたほうがいいのかな、と思ってます。