側弯症ママのドタバタフリーランス生活

中2で特発性脊柱側弯症になり20歳で手術、術後11年目。5歳の女の子のママでフリーライターをやってます。

脊柱側弯症の装具治療を嫌がっていたあの頃の自分に教えてあげたいこと

この前、側弯症の手術の様子を動画で紹介したツイートが流れてきました。
側弯症の手術がどのような手順で行われるのかがアニメーションになっているものなんですが、術前の人は見てはいけない(汗)

あれを見ていたら、私はきっと踏みとどまっていたでしょう。
すごくリアルで、大変な手術であることがよーくわかります。

 

私は主治医から「装具治療の後、手術するしか方法がない」と言われた時に、その場で「わかりました」と返事をしていましたし、その場で決断した後迷うことなどありませんでした。でもそれはおそらく特別何も考えていなかったからでしょう。

母親はギリギリまで悩んでいましたけどね。

手術を行った時のことやそれに関することは、また改めてブログにしたいと思いますが、今日は手術までに行う装具治療について書いていきたいと思っています。

 

側弯症の手術は、多くの場合が成人してから、骨の成長スピードを考慮してタイミングが決まります。私は20歳の夏に手術を行いましたが、それまでは放置していると側弯が進行してしまうため、装具治療を行っていました。

装具治療・・・なんだか言葉だけだとラクそうだし、写真を見ても「ああ、なんかギブスみたいな感じ?」と、いつまでものんきな当時の自分。全然大変さがわかっていませんでした。

実際にやってみて、最初は私も、コルセットを初めて見る友達も、「なんだかサイボーグみたーい」とはしゃいでいたのですが、服のサイズは全部変えないといけないし、靴紐は結べないし、体育時の装着は友達に頼まなければならないしで、だんだんとストレスに感じるようになりました。

夏は汗がたまって、もともとアトピー気のある私は身体中が痒くなりました。
成長期ということも関係するのか、左側についていたコルセットの金具が骨を押してきて、痒いだけでなくものすごく痛いのです。

外していると、両親は鬼のように怒ってくるし、痛いし、痒いし、動きにくいし、おしゃれじゃない(寸胴体型だし)し、まだ10代の女の子には正直苦痛で仕方なかったです。だからこそ、外したくなる気持ちも、ものすごく理解できます。

 

私「こんな苦痛を何年も続けるくらいなら、今すぐ切り開いて手術してほしい!やってられない!」

母「やらないと進行するでしょ!」

私「私の辛さなんてわからない!」

母「わかるわけない!やれー!!」

私「死んだ方がましだー!」

毎日こんな感じで激しい親子喧嘩。
少しでも手術の負担を軽くするために装着させようと必死の親と今、目の前の辛いことから逃げたい子ども。

ダメ親ながらも、こんな私も今や人の親。
こうなって初めて、親の気持ちも少しはわかるような気もしますが。。。

 

結局、以前にも書いたかと思うのですが、装着開始から手術までの期間のうち、私は半分以上サボったように記憶しています。

なぜなら、私は「どうせ手術するんだから、治る(まっすぐになる)」と完全に思い込んでいたからです。

もしかしたら、これを読んでくださっている方の中にもそう思っている方がいらっしゃるかもしれません。でも、ここから先をよく理解してください。

 

側湾症の手術を行ったとしても、まっすぐな背骨になるわけではありません。

 

執刀医である主治医の先生方はもちろん最善を尽くしてくださいますが、まっすぐにはならないのです。私も、現在20度前後で固定されています。

きっと先生は、私にもその事実を教えてくださっていたと思いますが、早とちりというか、自分のいいように解釈していたんでしょう。

手術によって、服を着てしまえば全くわからないくらい綺麗になりましたが、それでも20度前後の側弯が残っている状態です。

20代のころはよかったのですが、やはり年齢が上がるにつれ、腰痛が人よりもひどいような気がします。柔らかいベッドや固すぎるベッドで眠った後、長時間同じような姿勢をとり続けた後、天候の悪いとき、ものすごく不調だと感じます。

また、軽度でも側弯があることで、姿勢が悪くなりやすいというか、自分がラクな姿勢を取りやすくなるので、側弯は進行しなくとも、他の部分に不調が出たりしています。
装具をつけているときは、よくもわるくも装具が支えてくれているので、悪い姿勢を取ろうにも取れないので、よかったんですね。。

 

今、ざざっとあげたこれらの不調というのは、おそらく個人差が大きく、しかも20代では感じることのなかったものです。

あのとき装具治療を真面目に行っていれば、側弯もそこまで進行せず、術後はもう少し角度が小さくて済んだのかな、と考えても仕方のないことを今考えます。

 

側弯の手術は、一定以上側弯が進行しているなら受けることで心身共にメリットがあると感じていますが、その前の装具治療もしっかり行うことで、手術でよい結果を得られるのではないかと、素人ながらに感じます。

 ものすごく忍耐を必要とする治療ですが、今すぐ装具治療を放棄したい気分の方は、少し将来を見据えて、本当にそれでよいのかと考えてみてもいいかもしれません。

サボるとどうなるのか、主治医に直接聞いてしまってもいいと思います。